ebisu_ryoの日記

立体音響、舞台、Notion、備忘録などテーマに一貫性なく書き散らかします。

Notionを小規模チームに導入した話と私の思うNotionの基本思想

この記事は小規模なチーム(10名以下)にNotionを導入した時の考え方について扱っています。 Notion導入を検討している組織の方の参考になれば幸いです。

レクチャーで使ったスライド

Notionを使い始めて3年くらいが経った。いろいろ試行錯誤しながらもめちゃ楽しいツールで会う人会う人に布教しているといろんな相談が舞い込んでくる。

 

今回取り上げるのは、友人が立ち上げた会社からの相談。 その会社では北海道でマルシェ機能も備えたコミュニティ&コワーキングスペースを作っていく中でタスクやプロジェクトなどの情報が入り乱れて情報管理に課題感を持っていて、その解決策としてNotionを使いたいんだけどどうやればいいのかと相談が来た。

 

個人はともかく、組織で完全にゼロからNotionを導入するのはやったことがなかったので面白そうだと思いやることに。

 

メンバーのNotionの習熟度はほとんどのメンバーが触ったことがないか、使ってみて面白かったけどいろんなページが無秩序に立ち上がってよくわからなくなって使わなくなったというレベル感。

 

Notionは自由度がとんでもなく高くてできることがすごく多いので、油断すると混沌としたページになりがち。使い始めたころは自分もよく躓いてはまた0からやり直すということを何度もやっていた。

 

導入にあたってはいきなり機能とか「できること」の説明ではなく、「やりたいこと」の整理からはいった。

課題感としては先述の通りスペースの立ち上げのために工事や飲食の許可取り、メニュー考案やイベント企画などとにかくプロジェクトが多くて何がタスクとしてあって今どうなっているのか把握にものすごい工数をかけているとのことだった。資料もGoogle workspaceやSlackなどに分散していて情報を探すことにも一苦労という状況。

「今何が動いていてそれがどんな状態でこれから何をすればいいのか」それをチーム共通の認識を持ちたい(できれば工数かけずに)がやりたいことだとなんとなくわかってきた。

聞けば聞くほどNotionが大活躍できそうな状況だったのでまずは、「原則すべての情報をNotionに放り込む」ことを提案。

 

 

「とりあえずNotionで検索をかければ見つかる」という状態を目指す

「どこになにがあるのかわからない」から「とりあえずNotionで検索をかければ見つかる」状況にすることがまずは第一歩。

コミュニケーション手段としてSlackや資料置き場としてGoogle workspaceは引き続き使いつつ、どんな情報もNotionにある or 紐づいている環境になるよう資料もプロジェクトもタスクもいったん全部洗いだしてもらった。これ以降のあらゆる情報もNotionに「貯める」ことを原則として全員で確認。

レクチャーで使ったスライド

 

タグ付けを活用して情報を「整理する」

次のステップとしてそれらを「整理する」ことに着手した。洗い出したデータは「プロジェクト」「タスク」など大まかな粒度別にデータベースを作成してそこにすべて格納。そのデータベースに「タグ付け」を行うことで入っている情報がどんなものか、どれくらい重要なのか判断ができる状態にして次のステップである「把握する」ことにつながるようにした。

レクチャーで使ったスライド

 

見え方を変えることで情報を「把握する」

考え方の最終ステップとして貯めて、整理した情報を「把握する」方法がある。ここまでのステップですべての情報がNotion上に存在していて、管理しやすいようにタグ付けされ相互に関連するようにしてある。

あとはデータベースをいくつか目的に沿ってみられるように見え方(ビュー)を用意するだけ。

個人の抱えているタスクが見えるようにメンバーそれぞれに紐づいたタスクビューを用意する。

タスクの優先順位や締切がわかるようなタスクビューとリマインダーを設定。

プロジェクトレベルでの議事録などの資料がすべて参照できるようにプロジェクトごとのビューを用意。それぞれのメンバーの必要に応じて相談しながら設定を進めていく。

 

基本的に自分で手を動かしたほうが覚えるので簡単なレクチャーをやった後は自分たちでやってもらってわからないことが出てきたら都度質問をもらうというやりとりを何度か繰り返すとメンバーだけで自走ができるように。

 

定期的にデータベースやページを巡回して改善できそうなポイントを探してレポートするけど学習意欲の高いメンバーはあっという間に上達して1か月もすれば立派なNotion活用組織が出来上がっていた。

 

開業が近づいてきた今ではさらに膨大なタスクややり取りが増えているらしいけど、かなり効率よくタスクをこなせていそう。

 

「こんなことがやりたい」のレベルもどんどん上がってきて自分ではわからない質問も増えてきたのでNotionコミュニティの力も借りながら対応している。

※NotionにはSlackコミュニティがありとんでもないレベルの人がごろごろいて、とても頼りになります。

 

Notionは本当に自由な最高なツールだけど、自由すぎて無秩序にならないように初期段階で目的とルールを設定するのが特に複数人では重要になると改めて感じました。 Notionを活用したいと思っている方の参考に少しでもなれば嬉しいです。