ebisu_ryoの日記

立体音響、舞台、Notion、備忘録などテーマに一貫性なく書き散らかします。

『君たちはどう生きるか』感想メモ -天才の頭の中と走馬灯-

君たちはどう生きるか

公開2日目に新宿ピカデリーで友人と二人で鑑賞してきた。前日にチケットをとったがほぼ満席で前から4列目で何とか並びの席を買えた。

 

ジブリの熱狂的ファンというほどではないが全作何度か見ていて『風の谷のナウシカ』の漫画版をはじめ書籍を何冊か持っているくらいには好きだ。

 

なので宣伝があろうがなかろうが宮崎駿さんの新作なら絶対に観に行く。最近はどうやってもいろんな方面から見ようとする作品の情報が入ってきてしまうので一切それがない状態で作品を楽しめるのはもはや贅沢ですらある体験だった。

(事前の宣伝を一切しないという手法は宮崎駿さんなみの人気があるから選択できる手法なので、仕事上PR宣伝をやることがある立場としてはうらやましく思ったりするがそれは別の話)

 

映画としてはあれこれ言われやすいような内容だなと思った、と同時に圧倒的に好きだった。2時間弱の間、天才の頭の中と走馬灯の中に入り込んだような不思議な体験だった。

 

説明不足と言われればそれまで、でも世界はいつも説明不足だし、それとは関係なくそこにあるものだろ、と変な納得感を覚えながら目の前の出来事を飲み込んでいった。

 

どうしようもなく理不尽で、正しさと正しくなさがごちゃ混ぜになった状況で、それでも自分はこうする、と突き進んでいく主人公の姿は観ていて眩しかった。

劇中で起きていることは滅茶苦茶で支離滅裂で自分勝手で、でも観終わったときに「世界は美しい」と圧倒的に肯定してくれている気分になる、「生きてみよう」としみじみと思える、少なくとも自分はそう思えた、不思議な体験でした。